不安や恐れ、弱った心を強くする神経反射作用の調節法(クンバハカの方法)ー中村天風

◎クンバハカ

「肛門とお腹と肩。腹が立つこと、心配なこと、何かにつけて、感情、感覚の刺激衝動を心に感じたら、すぐに肛門を締めちまう。そして、おなかに力を込めると同時に肩を落としちまうんだ。この三か所がそうした状態にされた時に初めて感情や感覚の刺激衝動が、心には感じても神経系統に影響を与えないという、いわゆる影響を減ずる効果がある。」


「折りあるごとに時あるごとに、日に何千回でもいいから深呼吸をすることを稽古なさい。肛門が締って、肩が落ちて、おなかに力が入る。・・出す時が肝心なのよ。深呼吸は出すだけ。その時に肛門は締めて置いて、肩だけおとして、腹のほうは考えないで、息を出すだけ出しちゃう。出しちゃって出し切ったなと思った時に、改めてまた肛門を絞めて、肩を落として置いて、息を吸い込む。いっぱい吸い込んだときにおなかにぐっと力を入れて、そしてまたハーッと出す。」


◎連想暗示法

「暗示感受習性の特別な時とは、人間が眠りにつく前に精神生命に発生する現象です。
これから熟睡しようというトランスの状態に入る直前には、実在意識が思ったり考えたりしたことが、力ある同化力を働かせて、無条件に潜在意識の中に入り込みます
人間が眠りにつくときは、精神生命に収束を与え、無我の境へと人々の心を誘い入れるための準備を整えようという、 造物主の思し召しの時なのです。
この時、実在意識が考えたことは無条件に潜在意識に入りこんでいきます。
眠ることは人間の精神状態を無我の境へ導くための造物主の意図であります。」

「何でも良いから嬉しいこと、楽しいことを考えなさい。
夜の寝際は哲学的に言うと、生ける生命をそのまま偉大な造物主のお力にお預けする時なのです。
夜の寝際には、もっときれいな気持ちになりなさい。
磨きたてた真珠を、薄絹のベールに包んだようなきれいな気持ちになりなさい」